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2014年10月10日

αテスト ③ -未公開エリア-

  二日目のαテストを終えここに書くネタを整理していたとき、とんでもない情報がもたらされた。ここまで来る方ならとうにご存じの通り、ある方法でαテストのエリアの外に行くことができたのだ。DLしたαテストのデータの中には周囲のエリアのデータも含まれており、とあるテスターはそのエリアに侵入した。そこには公式も未公開の情報が残されていた。

  今回の記事は大いにネタバレを含むため、それでも構わないという人だけ見てほしい。
  また記事の後半は自分が体験したものではなく、各画像と動画で見たもののリポートとなる。加えてその画像や動画は載せられないのでご容赦いただきたい。




◇抜け道

  エリア外に行くある方法というのは開発が想定していなかった抜け道だ。場所は噴水広場の屍肉カラス付近にある棺が立てかけられた所の柵。この柵の近くのオブジェクトを足場にし、そこからダッシュジャンプをすることで柵の上に着地、未公開エリアへ飛び降りることができたのだ。


その場所がこちら。この柵を飛び越えるとその先は未公開エリアだ。


  自身もαテストのデータ内に他のエリアがあることは分かっていたのだが、そこへ行くことはついぞ叶わなかった。上の画像は左奥に見つけた、行くことのできない場所にあるアイテムを不思議に思い撮ったもの。よもや目の前にあったこの柵を越えられようとは…


斧を持った大男のいる所から見渡すとこの柵の向こうにもアイテムが2つ落ちている。そこはスタート地点背後の扉の先だがαテストでは行くことができない。


ここは噴水広場から階段を一つ上がり左に進んだ先にある門。この門には鍵が掛かっており、向こう側にあるレバーを引くことで開く。いわゆるショートカットなのだがやはりテストでは行く方法は用意されていない。しかし…


  この画像の門の向こうをよく見ると梯子があり、この梯子の真下に1枚目の画像のアイテムがある。だがこの画像は梯子を撮ったものではない。それよりも遥かに不可解なものがそこにはあった。手記を持った使者がいたのだ。




◇足跡

  エリアの外にアイテムがあるのは理解できるが、プレイヤーの足跡とも言える手記が残されているという不合理な事実。これはあるプレイヤーがそこへ到達したことを意味する。となれば自分もそこへ行きたいと思うのが人の常だ。未踏破の場所が残っているとは夢にも思わなかったが、フロムのことだしαテストにおいても何か隠し要素を用意しているのかもしれない。この不合理を乗り越えて先駆者の後を追うべく、制限時間が差し迫るなか再びヤーナムの街を探索した。

  鳴らしていた鐘を止め、MOBを全て枯らし、怪しいと思った場所で○ボタン連打や攻撃をして隠し扉を探す。美しいヤーナムを舐めるように探し回るが、しかしどこにもその入口は見つからない。αだしあの手記は座標バグによるものなのか、それともテストには開発のデバッガーも参加していてその人が遊びで置いていったものなのか。どれだけ探しても見つからないので次第にそんな考えに傾いていき遂には諦めてしまった。しかし事実はそのいずれでもなかった。道なき道があったのだ。

  先述の通り、それは屍肉カラスの近くにあった。正規の入口があると思い込んでいたため、近くまで来ておきながらダッシュジャンプで柵に飛び乗るという発想には至らなかったのだ。しかしあるテスターたちはここに目を付け未公開エリアに侵入した。そして甘美で刺激的な誰も知らない世界を闊歩し、味わい尽くしたのだ。

  繰り返しになるがここから先は例の画像と動画のリポートとなる。ネタバレしても構わないという人だけ読み進めてほしい。




◇未公開エリア

  そこはαテストのエリアの延長のような所だ。恐らくここも含めて「聖堂街」なのだろう。しかし似たような雰囲気でありながら中には下水道エリアもあり、主人公はその場所特有の敵と戦いながら先へ進んでいた。マップの色彩も似ているので違いが少ないとの見方もあるが、これはむしろ一つの街が雰囲気を損ねることなく良く作り込まれていると言ったほうが正確だろう。いつかのインタビューでフロム宮崎氏が「自分がマップを作ると縦に長くなる」と言っていたがその通り、非常に立体的で冒険心をくすぐるマップだ。

  とはいえ未公開エリアのデータは開発途上のマップを基に作られたものなので、テクスチャの読み込みがなされずに建造物が透けて見える所や、下水道を歩く際の水のエフェクトや効果音、エレベータなど仕掛けの効果音がない所もあった。

  下水道には新たな敵もいた。うつ伏せのまま動かない溺死体のような敵は、近くにあるアイテムを拾うことでスイッチが入り主人公に襲い掛かるようだ。その先には巨大な豚がおり不快な鳴き声を出しながら頭突きとボディプレスで攻撃。TGSトレーラーで僅かに映っていたネズミは噛みつきと引っ掻きで主人公を攻撃していた。いかにも病気を持っていそうな不潔な見た目をしており、攻撃を受ければ何かしらの状態異常を引き起こしそうだ。




◇セット装備

  未公開エリアで確認された新要素の一つがセット装備だ。発見されたセット装備は「グレミアの血の狩人」と「ヤーナムの密偵」の2種。セットが頭、胴、腕、脚の四つの部位に分かれていたことから、従来のように好きな部位に任意の防具を装備することができるようだ。残念ながらαテストでは装備メニューがないのでどのようなデザインかは不明、またアイテムのアイコンもまだ用意がないためか2種類ともパッケージの主人公の装備で代用していた。

  装備があり、それが部位ごとに分けられていると明確になったのは朗報と言ってもいいかもしれない。マルチプレイのゲストが霊体ではなく実体の今作では、ロールプレイでのファッションをより楽しむことができそうだ

  そしてグレミアというのは地名か組織名だろうか。もしかしたら過去の偉人や信仰の対象かもしれない。密偵というのも好奇心を刺激する。密偵はどのような組織に属しているのか、ヤーナムの密偵がなぜヤーナム内で倒れているのか、誰を相手にどのような諜報活動をしていたのか。現段階では医療教会という組織の存在が公開されているがそれとの関係は……。途上段階のαテストであれこれ考察するのは不毛かもしれないが、広がっていく世界に興味は尽きない。




◇神父と医療教会

  未公開エリアには装備だけでなく新たなボスまでもが存在していた。そしてそれは誰もが知っている者だった。

  「ガスコイン神父」

  この見慣れた名前。なんと聖職者の獣の橋で主人公と共に戦ったガスコインがボスとして現れたのだ。しかし我々が知っているのは狩人としてのガスコインであり、主人公の前に立ちはだかる彼は神父だった。なぜ二つの名前があるのか。

  ヤーナムは古くより医療が発達しており街には医療教会という組織がある。公式を見ると医療教会は「ヤーナムの血の医療を統括する」とあるが、同時に獣狩りもしているようだ。となればガスコインが狩人として獣を狩りつつ、神父として教会の教えを信仰しているのは何もおかしい話ではない。ヤーナムには他にも宗教があるのかもしれないが、ガスコインが属しているのはこの医療教会でほぼ間違いないだろう。歴戦のベテランではあるが詳細は不明とされる狩人ガスコインにはもう一つの姿があった。

  しかしまだ疑問は残る。ガスコインはなぜ主人公と戦うのか。動画にはそのヒントとなる英語の字幕(海外のαテストのため)があった。
  原文は載せられないがどうやらガスコインは主人公に染みついた血の臭いを忌み、排除しようとしたようだ。またその血が自身を病にさせると恐れ、主人公を病の化物と吐き捨てた。ガスコインは病を治すためにヤーナムを訪れた主人公を獣と看破して狩りを始めたのだ。

  だが死闘のなかで獣となったのはガスコインの方だった。主人公の血を浴びたことで病が感染したのか、傷を負ったガスコインは大きな獣へと姿を変えた。それでも主人公を襲い続けるのは狩人として使命を全うしようとする理性が残っているのか、あるいは獣の本能によるものなのか……。その唸り声も病の苦しみ故なのか血への興奮故なのかは、もはや誰にも分からないのだろう。
  また先程の血を嫌うようなセリフ、これは見方によっては血を欲しているようにも思える。主人公との戦いで病が感染しすぐさま発症するとは考えにくいのだ。ガスコインは獣を狩り続けるうちに既に病に感染しており、そこへ現れた主人公の血の臭いに反応したのかもしれない。

  そして医療教会による獣狩り。獣の血を浴びることで病に感染するならば、その行為は獣を減らすという意図に反しより強い獣を生み出しているのではないだろうか。聖職者の獣も元々は医療教会の教えを信仰していて、獣狩りをするうちに病に罹り獣となったのだろう。そして聖職者こそがもっとも恐ろしい獣になるというヤーナムの言い伝え。これはかつてデモンズにあった、信仰している神こそが禁忌とされた獣であるという痛烈な皮肉を再構築しているようにも思える。世界は変わっても人は変わらないということだろうか。獣狩りを続ける医療教会の思惑がどちらにあるにせよ。




◇ガスコインが残したもの

  ガスコインを倒すと二つのアイテムを手に入れた。「大橋の鍵」と武器だ。武器は名称が決まっておらず「?WeaponName?」と表記され、アイコンも散弾銃で代用されているようだった。その先にあるレバーを作動して扉を開くと長い階段が。そこを上りきった所の床には判定がなく、そのまま進んだ主人公は床をすり抜け何もない空間を落ち続けるだけとなり動画は終わった。

  気になるのはストーリー上のガスコインの役割と二つのマップの関係性だ。ガスコインはBloodborneの世界観を示す上でのチュートリアル的な存在と考えるのが自然だろうか。獣の病、感染、狩人、獣化、医療教会などの世界観の断片をガスコインとの戦闘を通じて明暗双方から示すことができる。

  またαテストのエリアと未公開エリアが、製品版ではどちらが先になるかでもガスコインの評価は変わってくるだろう。αエリアが先ならガスコインと共闘したのちに敵対することになるし、未公開エリアが先ならばその逆だ。
  しかしこれについては前者の可能性が高いと思う。エリアの繋がりは未公開エリア側からαエリアにショートカットを開通する所が多かったからだ(具体的には上にある3枚目の画像の門と、前々回の記事に書いた車椅子の老人近くの唸り声が聞こえる扉)。

  しかし製品版ではどちらのエリアからも攻略できる可能性もあるし、さらに言えば大橋の方のガスコインはαテストの為だけに用意されたのかもしれない。長々と書き連ねたがこれらは現状の少ない情報から捻り出した、考察とも呼び難い妄想でしかないのだ。

  しかし妄想では済まない事実がある。それはαテスト3日目の延期だ。この未公開エリアが世界中のユーザーに知れ渡った直後、SCEはαテストの延期を発表した。
  当然だ。謎めいた重要人物として公開された狩人ガスコインがボスとして登場し、しかもただの狩人ではなく獣を狩る神父だったのだ。そして「Umbasa…」というセリフ(これについてはいずれ別途記事を投稿しようと思う)。またある場所には「賢者の血」や「ローレンス」といったキーワードまでもがあった。諸々の未公開要素がストーリーや世界観に関わっていた。
  そして未公開エリアの探索はこれだけで済むという保証はない。このままテスト最終日を迎えては侵入方法を知ったテスターたちがこぞって探索し、更なる未公開要素を発掘してしまうだろう。これによりαテストは延期となり今回の不具合を解消することとなった。

  テストの延期は残念だがこればかりは仕方がない。もし未公開エリアへの侵入方法が見つからなかった場合、それはバグとして製品版に残る可能性がある。そしてバグは別のバグを呼ぶ。ゲーム進行不能の事態に陥ることも考えられるのだ。そう自分に言い聞かせ、開発の想定していなかった遊びを体験して見たかった思いを慰める。台風の嵐のなか始まると思われていたガスコイン狩りの夜は、ついに始まることはなかった。

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