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2014年11月22日

Bloodborne -待ちに待った新情報-

  10月のαテスト実施後から続いていた沈黙を破り、ようやくBloodborneの新情報が公開された。この1週間ほど前に発売日が7週間延期されるというサプライズもあったが、ゲーム内容の新情報としては9月のTGSトレーラー以来2ヶ月ぶりだ。自身もブログの更新を3週間怠るという体たらくぶりだが、今回は公開された情報についてつらつらと書き記していこうと思う。




  今回新たに追加された情報はNPC、敵、武器、エリアと新システムの5つだ。まずはこちらから。


◇古狩人デュラ

新キャラクター「古狩人デュラ」。画像は光源の影響なのかもしれないが、黒い衣装のキャラクターが多い中にあってやや白い恰好は良く目立つ。帽子は主人公と同型のもののようだ。


デュラのイラスト。腰の後ろには短剣を備えているのだろうか。右手が僅かに覗く柄を握っている。



  名前の響きや細身でいて上品にも思わせるような佇まいから一見女性のようにも思えるがデュラは男性だ。古狩人という二つ名の通り白い髭を蓄えた老齢の紳士。ヤーナムには彼が旧市街に消えて二度と戻らず、しかし生きているという噂がある。どうやら彼は谷合深い旧市街を拠点に狩りをしているようだ。

  この「二度と戻らず、しかし生きている」という点と、噂が出来上がるという経過から推察するに、デュラはかなり長いこと旧市街に身を置いていることが窺える。歴戦の狩人である彼はどのような理由があって旧市街に留まるのか。このエリアのボスはおそらく(だがほぼ間違いなく)血に飢えた獣だろう。TGSトレーラーで主人公と共闘していたのは烏羽の狩人ではあったが、デュラはこの獣に何か執着しているのか。あるいはかつて棄てられたこの廃墟にこそ何かがあるのだろうか。

  また、デュラが背負っている大きな得物も気になるところ。一部体に隠れて見えないが特徴的な砲身からガトリングガンであることが分かる。今作の銃は威力が少なく、敵の隙を作るためのものというのがこれまでの説明だったが、ガトリングガンという非常に破壊的で制圧的な銃がゲームにどのように作用するのだろうか。

  そしてデュラがこの銃を持っている理由も何かあるのかもしれない。個人的な思いによるものか、それとも旧市街は獣が多くて対集団の備えが必要なのか。他の狩人たちと違い白っぽい恰好をしているのも特徴的だ。これは陽の届きにくい谷合にある旧市街の闇に呑まれまいとする意志の表れなのかもしれない。




◇仕込み杖

  待望の新武器は仕込み杖だ。

石突の鋭い杖。画像では2本あるがこれは角度を変えた同一のもの。


変形後がこちら。杖軸(シャフト)が細かい刃状にばらけ鞭のように振るうことができる。


杖状態で構え敵と対峙するシーン。


杖を鞭状に変形して振るう。攻撃を受けた敵の血飛沫が大変なことになっている。鞭の持ち方は普通のイメージとは逆だ。何か理由があるのだろうか。


  仕込み杖と聞けばイメージするのは杖軸を鞘とした細身の剣や銃だが、これは斜め上を行っていた。剣が鞭状になるのはダークソウル2に引き合う石の剣があったがこれは杖。丸い杖軸を分解しても刃物にはならないだろうと思いきや、パーツをS字に分解することで刃状にすることが出来るようだ。
  変形前の杖状態ではパシパシ叩いて攻撃するのだろうか。解説には硬質のためそのままでも充分武器として使用できるとあるが、非常に攻撃的な他の武器と比べいささか心許ない気もする。先端の石突は鋭いので刺突攻撃があるならそれはなかなか強力そうだ。

  そしてやはりリゲイン量も気になるところ。前回のリゲイン検証では獣狩りの斧以外の武器にもリゲイン量に違いがあった。石鎚のリゲイン量の少なさが打撃武器ゆえの返り血の少なさに依るものならば、杖状態でのリゲインは期待できそうにない。逆にそうであるなら鞭状態なら4枚目の画像にあるように大量の返り血を浴びることができそうだ。リゲインを狙うなら鞭状態、もしくは杖状態からの変形攻撃が効果的になるだろう。また、モーションはまだ不明だが杖状態では素早い振り、鞭状態ではリゲインとリーチを活かした戦法になりそうだ。特に劣勢時は鞭状態が活躍するかもしれない。
  個人的には変形時のSEにも期待したい。従来の4種の武器はいずれも変形の音が格好良かった。この武器の特性上、連続的な音で表現されそうだ。

  もちろん杖は武器としてだけでなく、ビジュアル面でも大いに期待してしまうアイテムだ。上の画像では狙ってのことか鞭を振るう主人公が新公開のシルクハットを被っている。この2つがあるならやることは1つ、紳士プレイだろう。さらに燕尾服と白手袋もあれば完璧だがあまりバッチリ決めるとコテコテなので礼服っぽいもので調整したい所。主人公のコートでも充分恰好が付く。そしてこの紳士セットこそ白い髭を蓄えた古狩人デュラに着せたいものだ。

  ここで気まぐれに燕尾服について調べた所、どうやらBloodborneの舞台イメージである19世紀イギリスのヴィクトリア朝よりやや前の時代に登場したことがわかった。16世紀頃から日常着・作業着として貴族や農民に幅広く着用されていたフロックコート(主人公や敵MOBの衣装のような裾の長い服)から派生したものの1つで、中でも燕尾服は乗馬用に特化したものらしい。後裾が割れているのは乗馬中に裾をもたつかせないためだ。そしてそれが次第に礼装化していき、乗馬以外のシーンでも着用されるようになったとのこと。フロックコートも19世紀頃には礼装化したそうだ。

  となれば時代的に近い今作で燕尾服が登場してもおかしくはないだろう。そしてもう1つ面白いことが分かった。19世紀のイギリスでは紳士服には黒色が流行していたようだ。どうやら産業革命下において工場が増え、煤煙が服にかかるためそれが目立たない黒色が好まれた。Bloodborneの世界にも煙を上げる高い煙突がある。狩人達が黒い服装ばかりなのも頷けるというものだ。尤も彼らの場合、服に付いた煤ではなく、暗闇で獣を狩るため自身を目立たぬようにしているだけなのかもしれないが。




◇廃城カインハースト

  次は新エリア。

廃城カインハースト。建物からは氷柱が降り、周囲には冷気が立ち込めている様子。

木の枝には薄い積雪が。

カインハースト城内。床の意匠や彫刻、シャンデリアが凝っている。窓から射す月明かりが幻想的だ。


  ここにきて飛びっきりのファンタジー要素「廃城」だ。それも雪景色である。美味しいものに美味しいものを乗せたら2倍美味しくなりましたというような、単純だからこそ強力に噛み合うファンタジー要素がどのように作用するのか。

  名前の通り既に打ち棄てられたその城はかつてヤーナムと交流があったようだ。ヤーナムの外にあり文化を異にするこのカインハースト城は、ある時を境に貴族たちが忽然と姿を消したという。
  その理由はやはり獣の病が関係しているのだろうか。城内で病が流行り医療の街ヤーナムを頼ったものの甲斐なく滅んでしまったといったところか。もしくは没した原因は交流のあったヤーナムにこそあるという可能性も考えられる。解説にはカインハーストの貴族たちは閉鎖的だったとある。にも拘わらずヤーナムと関係を持つ。もしかしたら彼らはヤーナムとは望まない交流をしていたのかもしれない。

  もう1つ、カインハーストの貴族達はヤーナムと古い血縁関係にあるという。ここで「血」である。今作のテーマに深く関わってきそうだが、もし閉鎖的な彼らが古い血縁のヤーナムにだけ開放的で協力的だったとしたら―。医療を研究しているヤーナムはカインハーストの貴族達を医療実験に使い、その結果滅んだのかもしれない。

  また、雪といえばダークソウルのエレーミアス絵画世界、2のエス・ロイエスがある。前者は幻想的でありながらも死地を匂わせ、エス・ロイエスは暴力的な吹雪が吹き荒れていた。カインハーストは画像で見る限り静かな印象だが果たして。返り血が凍りつきリゲインができないというような特殊環境だったりするのだろうか。
  今作には冬服と言える装備があるのかも気になる。エス・ロイエスはプレイ前にあれこれと冬服装備を模索するのが楽しかったのだが今作もそれができるだろうか。また、銃が登場したことにより鎧が廃れた時代ではあるが、文化としては残っているはずなので儀式用(式典・祭礼用)の鎧ならあるかもしれない。特に貴族達が住んでいたという廃城カインハーストにはそういったものが残されていそうな場所だ。
  3枚目の画像では床に書物が散らばっている。かつてのカインハーストが知を蓄える場所であるなら、デモンズの拓く者フレーキ、ダークソウルのビッグハットローガン、2の破門のフェルキンのような探究心旺盛なNPCにも期待したい。




◇ヘムウィックの魔女

…。


……。


  このビジュアルである。まったくどうしてこう次から次へと(笑)。聖職者の獣が一番キレイという暴挙。

  この腰の曲がった老婆は魔女と呼ばれ、ヘムウィックの墓地街に潜んでいる。そして体中に着飾っているのは死体から剥ぎ取った目玉だ。どうやら彼女は目玉フェチらしい。よく見ると大小様々な目玉があり、人や子供だけでなく色々な動物からも剥ぎ取っていることが窺える。右手に持つ奇怪な道具で目玉をくり抜くのだろうが、老婆にとってはさぞお気に入りのアイテムだろう。
  老婆は夜な夜な怪しい儀式に耽り、その為に目玉を集めているようだ。死体に事欠かないヤーナムの墓地は打って付けの場所だ。

  目玉といえばαテストにいたあの化物を思い出す。TGSのときは血を貯め込んだ水疱のようにも見えたがαテストで再確認すると大量の目玉であることが分かった。

その化物がこちら。相変わらずのお姿だ。

  老婆が見たら歓喜しそうな目玉の数。しかし目玉を集める動機がむしろこの化物にあるとは考えられないだろうか。かつてダークソウルでは誓約の絆を深めるために様々なものを捧げた。太陽のメダル、人間性、死の瞳、竜のウロコ、ネズミのしっぽ等々…。これらと同様に魔女が誓約のようなもので獣との絆を深めるために目玉を捧げているのだとしたら…。

  かつてE3でBloodborneというタイトルが発表されて間もない頃、聖(職)者の獣や獣の病の罹患者が左腕だけ伸びるという、特徴的でありながら共通した姿形を持つ事から、獣の病とはすでに存在している「何か」に近付こうとする病なのではないかと考えたことがあった。ウロコを捧げて古竜の永遠を手に入れようとした誓約者たちのように、もしかしたらヘムウィックの魔女も目玉を集めることで目玉の化物に近付こうとしているのかもしれない。病がそうさせるのか、彼女自身の意志によるものかは分からないが。




◇地下遺跡

  最後は地下遺跡。

ヤーナムの地下にあるという広大な遺跡。かなり古いもののようだが内装はヤーナムの街並みにも劣らない意匠が施されている。

  一見して新エリアと思うところだが、公式サイトでは「System」カテゴリの「Other」にある。SCE山際氏もツイッターでは地下遺跡を「新要素」とし、新たな試みに挑戦しているとのことだ。これに加え公式の解説では「この遺跡は見る(見える)人によってその姿を変える」とある。「地下遺跡」というとゲーム作品においては聞きなれたものだが、今作ではどうも一筋縄ではいかないようだ。今回発表された新情報の中ではこれが最も注目を集め様々な憶測を呼んでいる。

  ランダム生成ダンジョンではないか、それともエリア傾向のようなものがありそれによってダンジョンの形が変わるのではないか、はたまた獣の病の進行度によって変わるのでは…。ダンジョンが「見る人によって」姿を変えるなら、これは3つ目が該当しそうだ。
  従来のシリーズでいう「生身⇔ソウル体」「生身⇔亡者(霊体)」と同様に、獣の病がプレイヤーを「狩人⇔獣」の2種に分け敵対関係を作るならば、この試みは面白いかもしれない。例えば獣は夜目が利いてダンジョンが暗闇でも良く見えるが狩人には見えない。狩人はその対策として松明を使うが左腕が塞がれ銃を使えないハンデとなる。武器やアイテムが使えないであろう獣側が有利、しかし獣には松明の火が良く効く…といった新たなバランスが作れそうだ。尤もこれだけでは「ダンジョンが姿を変える」とは言い難いが…。何かしらの要素で狩人しか通れない道、獣にしか見えない道というようなものがあるのかもしれない。




◇続報予告

  SCE公式によるとどうやら来月の6日、ラスベガスで開催されるイベント「PlayStation Experience」にBloodborneが出展されるようだ。ここで今回の新情報である地下遺跡の詳細が判明するとのこと。これまでにも札幌大阪福岡の3都市でのPSライブサーキットやイギリスのゲームイベントがあったが、新情報を伴ったイベントはTGS以来となる。地下遺跡の詳細と併せて是非とも新トレーラーを公開して欲しいところだ。期待しよう。