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2014年12月9日

Bloodborne -聖杯ダンジョン-

  12月6日、米ラスベガスにて二つのイベントが催された。一つはThe Game Awards 2014(TGA)、もう一つがソニー主催によるPlay Station Experience(PSX)で、その双方でBloodborneの新規映像がお披露目となった。約2ヶ月半ぶりの待ちに待った新トレーラーに加え、前回公開された新規要素である地下遺跡のプレイデモという二段構えだ。まずは地下遺跡の前にトレーラーの方から見ていこう。





◇CO-OP

  日本時間6日の昼に開かれたTGA2014では新規トレーラーが公開された。映像は男の不敵な語りから幕を開け、未公開のマップを歩く主人公が映される。遠くにいる別のプレイヤーを補足した主人公が相手の背後にゆっくりと近付く。これはもしや侵入・敵対プレイか…? と思ったのも束の間、MOBの攻撃を受けた主人公に気付いたプレイヤーが助太刀に入った。どうやら今回はCO-OPを主軸にしたトレーラーのようだ。一瞬ときめいたがPvPの情報はまだお預け。

  映像の途中では主人公がなんと火炎放射器を使っていた。左手の散弾銃から持ち替えていたので銃の一種と見てよさそうだ。ゆっくりと歩きながら広範囲に炎を噴射し複数の敵をまとめて焼いていく。炎を浴びる敵の悲鳴が非常に痛々しい。この中々に残虐性の高い火炎放射器は、その性質からして銃のカテゴリであっても銃パリィはなさそうだ。恐らく古狩人デュラの持つガトリングも同様だろう。

  映像は進み主人公は3人目のプレイヤーと合流する。よく見てみると他の二人は武器こそ公開済みのものだが、服装はまだ見たことのないものだった。




左の仕込み杖のキャラはゴシックな出で立ち。右の石槌キャラは白いコートにフードを被っている。


  画像が粗いのでやや見づらいが左のキャラは服装や髪色と武器が良く似合っており、ビジュアル的に完成度が高い。右のキャラはフードもあることから、石鎚よりも暗殺用の小さな武器のほうがなんとなく似合いそうだ。
  階段を上りその先に墓地が見えるここは某動画を見た人にはお馴染みの場所。ここを進んだ先にボスが待ち受けている。




◇ガスコイン

  ここでムービーが始まった。墓場でガスコインが息を荒げながら死体に斧を振り下ろしている。この凄惨な作業を静かに淡々と続ける様は異様だ。辺りにはびちゃりと嫌らしい音が響く。
  この墓場の夥しい数の墓石は彼が建てたものなのだろうか。ガスコインはもはや人でない者達を狩り、しかしながら葬った者達に祈りを捧げているのかもしれない。この凄惨な作業が獣の病に罹った者達を弔うためのものであるならば、彼の神父としての一端が窺える。
  しかし死体を葬るにしてはやはり尋常な様子ではない。返り血をものともせず、動かぬ死体に何度も斧を振り下ろしている。土葬に解体は必要ない…。

  このシーンは1stトレーラーの主人公を思い出す。主人公は映像の冒頭で犬の死骸を路地裏に引きずり込み解体していた。恐らく負傷した傷を癒すために手頃な犬を狩り、血を得ていたのだろう。回復した主人公はその後ヤーナムの住人達を次々に始末し、一帯を制圧したのだ。
  ガスコインにもそれと同様のことが言える。斧を振り下ろす度に飛沫を上げる血。コートも帽子も血だらけだ。彼はすでに獣の病に罹っている。故に血を浴びて、同じく獣の病の罹患者である主人公を狩るために備えていたのではないか。
  あるいはガスコインも知らぬ内に、狩りと埋葬よりも血を浴びることが目的になっていたのかもしれない。本来持っていた意志や日常の行動が、気付かぬ内に病の症状に取って代わられる。それはまさに狂気だ。

血飛沫を浴びるガスコイン。大きく息を吐くその口は発達した牙を覗かせる。


  3人マルチによるボス戦が始まった。一見して非常に展開が速くブルータルなボス戦だ。ガスコインはαテスト時よりもスピーディで好戦的になっており、獣化するとその暴力性はさらに加速した。それまでは3人で取り囲み銃撃や火炎瓶を駆使して善戦していたものの、あまりに獰猛な暴力にプレイヤー達は次々と倒れていく。辺りは4人の血が飛び散りまさに血の海。地の底に吸血鬼が眠っていたならその血を吸って甦ってきそうな勢いだ。最後は主人公に止めの一撃らしき攻撃を見舞い、トレーラーは幕を閉じた。

  個人的に今回のボス戦は非常に好印象だ。従来のプレイデモやαテストとは戦闘速度がまるで違っており、敵も速くなるとここまで変わるとは思いもしなかった。戦闘の展開がめまぐるしく変わり、凄絶でまさに死闘そのもの。主人公が一人になったあと、ガスコインが蹴りのような踏みつけ攻撃をするのだが、このモーションが非常に荒々しく本能的でとても格好良い。他の動きも本気で狩りにきてる感がビリビリと伝わってくる。宮崎氏の話によれば今作ではエモーショナルな戦闘になるよう心掛けたとのことだが、これほどのボスと戦えばプレイヤーも昂ることは必定だろう。




◇エンチャント

  途中、ノコギリ鉈を持った主人公が武器にエンチャントを施すシーンがあった。武器を軽く振るようなモーションを取ると青い雷を纏ったのだ。アイテムを使用したようには見えないので、これはもしかしたら公式サイトにある「Custom」に関わってくるのかもしれない。

やや見づらいが主人公の持つ武器に青い電流が流れている。


  これが雷エンチャントならダークソウルにおいては黄色だったものが今回は青となる。自然界の雷は白色、大気の状態や距離によっては赤や青にもなるが、人工の雷では青をよく目にする。これは恐らく熱エネルギー量が少ないからだと思うが、こういった色という一つの要素をとっても「科学」というものを感じさせる。
  Bloodborneの舞台のイメージとなった19世紀は電気や磁気などの物理学が飛躍的に発展した。交流を用いた電気機器などで有名なニコラ・テスラも19世紀の人物だ。このBloodborneの世界にも同様の科学者がいて、その知恵と技術を借りて獣狩りの武器に科学的な仕掛けを施しているのかもしれない。
  太陽王グウィン=神という超自然的な存在が作る雷は白に近い黄色、科学が進歩し人工的に作り出した微弱な電流が青色ということならば、この対比は納得だ。




◇聖杯ダンジョン

  日本時間では日付が替わり、7日深夜に開かれたPSXでは新要素である地下遺跡「聖杯ダンジョン」が公開された。それもフロム宮崎氏自らプレゼンするという贅沢なもので、宮崎氏が登壇すると会場に歓声があがった。

  説明によるとこの地下遺跡はヤーナムに10以上あるマップのうちの一つで聖杯ダンジョンと呼ばれるもの。このダンジョンは見える(まみえる)人によって姿が変わる、つまり自動生成ダンジョンとなるわけだが、この特徴を持つのは聖杯ダンジョンのみだという。このダンジョンを作った理由としては、いつまでも新鮮な攻略と、その攻略の自由な共有を生み出すためとのこと。自分の予想は外れてしまったが、このコンセプトを聞くととても面白そうに感じた。

まさかの自動生成ダンジョン。これはBloodoborneにおけるエンドコンテンツとなるのだろうか。



  マップは3階層に別れており階段や落とし穴があるなど縦の繋がりも強く、ショートカットも出来るよう工夫されているらしい。中にはマップの特性を利用した敵もおり、自動生成と言えど飽きが来ないよう凝った造りになっているようだ。

  また、自動生成ではあるものの一度造られたダンジョンは固定され何度でも挑めるという。自動生成なのに固定?と思うが、これは恐らくプレイヤーごと(作成したキャラごと)にオリジナルのダンジョンを所有するということだろう。そしてオンラインではそのダンジョンを他のプレイヤーと共有することができる。

  この試みは非常に面白そうだ。単なるランダムダンジョンでは使者の手記や死亡時の墓標などが機能しなくなるが、生成されたダンジョンが固定化されるならばその心配はない。一方でプレイヤーごとに構造が異なるダンジョンは今作独自の鐘によるマッチングとも相性がいい。例えば従来の召喚サインによるマッチングだと特定の場所に書くという性質上、自分と同じダンジョンにいるプレイヤーにしか呼ばれないが、鐘による召喚なら場所が限定されないため、聖杯ダンジョンにさえ居れば誰からも呼ばれることになる。αテストでは召喚される場所は自分が最後にいた場所だったが、聖杯ダンジョンにおいてはダンジョン内の特定の場所に召喚されるのだろう。
  聖杯ダンジョン内で鐘を鳴らしていれば、次から次へと見たことのない構造のダンジョンに呼ばれ攻略に臨むことが出来るのだ。これで飽きが来ようはずもない。聖杯ダンジョンはまさしく「新鮮な攻略」と「新鮮な攻略の共有」というコンセプトを最大限に発揮するダンジョンだ。そして恐らく、半年前のBloodborneのタイトル発表直後に宮崎氏がコンセプトの一つとして挙げていた「ユニークなオンラインプレイ」とは、この聖杯ダンジョンを指した言葉だったのだろう。

  また、各プレイヤーがダンジョンを所有するという特性から、マルチプレイは自分の攻略中に他のプレイヤーを召喚できるだけでなく、もしかしたら自分のダンジョンを探索している人の所に侵入できるようになるのかもしれない。これはかつての森の狩猟者や鐘守の誓約を思い浮かべるとイメージしやすい。しかし従来との明確な違いは、自分が知り尽くしたダンジョンを他のプレイヤーは初見攻略しているということ。罠のほうに追い詰めたり自分だけが知っている落とし穴やショートカットを駆使して先回りしたり一時避難するといったプレイが楽しめそうだ。攻略側としても初見のダンジョンを効果的に駆使する侵入者とCO-OPで戦うことができる。新鮮な攻略プレイが継続的にできるだろう。
  また、Q&Aで宮崎氏は「プレイヤーがボスとして参戦できる機能も取り入れる可能性がある」と話していたとのこと。思い出されるのは黄衣の翁や鏡の騎士だが、これが聖杯ダンジョン内のことだとしたら、主である自分がオリジナルダンジョンのボスとして攻略プレイヤーと戦うことができるかもしれない。

  そして、とあるメディアの記事にはハック&スラッシュ要素があると書かれていた。であるならば、聖杯ダンジョンはエンドコンテンツとして機能することになるのだが、どのようにバランスを取るのだろうか。
  一般的なハクスラではダンジョン内で手に入れた武器にランダムで攻撃力やステータスの補正値、オプションなどが付いたりするが、PvPも大きな要素になりそうなBloodborneにおいてはそれらが上手く馴染むことはないだろう。ハクスラにおけるほぼ無限に鍛えられるキャラや装備の成長要素にしても同様のことが言えそうだ。
  とは言え、何度でも挑めるダンジョンにはモチベーションとなる報酬が不可欠だ。しかしそれが何なのかは明らかにされていない。

  そして、近代という舞台設定でありながら聖杯というファンタジー感満載のアイテムも気になる所。聖杯を用いた儀式により封印が解かれるとダンジョンの構成が変わるそうだが、これは自分のダンジョンが段階的に拡張していくものと見てよさそうだ。また他のプレイヤーのダンジョンに変化する機能もあるかもしれない。聖杯ダンジョンについてはもう少し詳細な続報が欲しいところだ。




◇赤い影

  最後にもう一つ気になる所があったのでそれについても記しておこう。まずは画像を見てほしい。

これは日本向けのTGAトレーラーの最後の映像だ。こちらはなんの変哲もないが…

対してこちらは海外向けトレーラーの最後。内容自体は変わらないが最後の映像だけが違っており、それは未公開のイラストだった。


  主人公がこれまで見たことのない印象的な赤いエフェクトを纏っている。コートにはヤーナムの街が透けて映っており美しい演出だが、やはりそれよりも赤い影だ。左肩には手のような形が確認できる。爪が長くまるで獣のような手だ。
  Bloodborneの世界において赤と言えば、連想するのは間違いなく血だ。血と獣は密接に関係している。この赤いエフェクトは獣の病を視覚化したものなのだろうか。
  一方で従来のシリーズで赤を象徴するものは侵入だ。デモンズでは黒いファントム、ダークソウルでは闇霊(ダークレイス)と呼ばれていたが侵入者の色そのものは赤だった。Bloodborneにおいてはクライアントは霊体ではなく生身だったが、侵入があるとすればそれはどうなるのだろうか。

  今回のイベントではこの赤いエフェクトには触れられていない。メディアの質問に対しても宮崎氏は「PvPはある」とだけに留めていたが…。この画像は次回の新情報はPvPであるという宮崎氏からのヒントではないだろうか…。タイミング的にもそろそろ侵入に関する情報が来そうな感じはしないだろうか?(笑)
  今回発表された聖杯ダンジョンも全貌は見せておらず、上でも書いたように侵入が密接に絡んでくるように思えてならない。深読みに終わるかもしれないが次の新情報には大いに期待したい。

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