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2015年2月6日

Bloodborne -夢の避難所-

  日本時間2月3日の午前2時、Bloodborneの最新映像がIGNより公開された。約20分に渡るプレイ動画の情報量はかなりのもので、オープニングや新たなエリア、新NPC、ステータス画面などのUI情報が初公開となった。少しずつ露わになってきたBloodborneの世界を見ていこう。




◇オープニング

  映像は男の語りから始まる。この怪しげな男は主人公に輸血をしようとしているようだ。主人公は診察台に横たわっており、頭上には点滴に用いる血液製剤が見える。静脈針を刺すと視界が曇り、男の笑い声が響く中主人公は意識を失った。

  目を覚ますと男は既におらず、点滴の滴る音だけが静かに響く。辺りを見回すと床には血だまりがあり、その中から獣が姿を現した。身動きの取れない主人公に近付いてくる。主人公に触れようとしたその瞬間、炎が激しく燃え上がり獣を呑みこんだ。悲鳴と共に倒れる獣と入れ替わるように、今度は何人もの使者が姿を現す。主人公の体を這い上がってくる使者たち。視界は使者で埋もれ主人公は再び意識を失った。




◇Iosefkaと医療教会


主人公に語りかける、医師と見られる男。医院の名称にあるIosefkaはこの人物の名前だろう。

  主人公はどのような経緯で輸血を受けることになったのだろうか。
  「だが、呪われた街はまた、古い医療の街でもある。数多くの、救われぬ病み人たちが、この怪しげな医療行為を求め、長旅の末、ヤーナムを訪れる。主人公もまた、そうした病み人の1人であった…」
  主人公は何らかの病に罹っており、その治療のためにヤーナムを訪れこの医院のドアを叩いたのだろう。しかしIosefkaの思惑により、主人公は汚染された血液を投与され獣の病に感染することになる。

  Iosefkaはヤーナムで医師をしている。この街で医師を務めるからには医療教会に所属しているのだろう。また彼の風貌は誰もが見覚えあるはずだ。ゴワゴワと硬そうな長い髭と包帯で覆われた目、これはヤーナムの住人やガスコインと同じ特徴だ。どうやら彼自身も獣の病に侵されている様子。しかし静かな語り口とこの医院で医療行為を続けている様子から人間と何ら変わらない理性を持っていることが窺える。それは医療教会が獣の病に感染しても理性を保つ手段を持っていることの証左であるが、男の不気味な笑いは狂気の片鱗を覗かせるに充分なものだ。

  気がかりなのはIosefkaの動機だ。医療教会に属している彼が訪れた患者を輸血で獣の病に感染させるのはどういうことなのだろう。医療教会は獣狩りもしているので病の流行は教会の意志に反する。主人公に施した輸血がIosefka個人の意志によるものならば彼は教会を抜けた背教者なのだろうか。しかしそうではない可能性がある。いつかの記事にも書いたが、医療教会は自らの手で獣の病を広めている節があるのだ。

  ロードランのフラムトは鐘の伝説を聞いてやって来る屈強な不死を待っていた。しかしその伝説にある不死の使命は神々の都合でしかなく、人間にとっては嘘偽りと相違ないものだった。一方のヤーナムには高度な医療技術があるため嘘を広めずとも人が集まる下地があるが、もしかしたら医療教会も同じように屈強な狩人となる人物が来るのを待っているのだろうか。
  不死はその身にダークリングが現れてロードランを訪れ、病み人はその病を治すためにヤーナムを訪れた。しかし意に反して獣の病に感染してしまった主人公は、これからその病を治すためにヤーナムを探索するのだろう。だが主人公がヤーナムを訪れた動機である元より患っていた病がIosefkaの治療によって治ったのかは分からないままだ。もしかしたら、その病こそが医療教会の嘘なのかもしれない。




◇獣と使者

主人公に近付く獣。その発達した左腕と大きな爪が怖ろしいが……。

  一見すると獣に襲われる主人公を使者が救い出したように思えるが、よく見るとこの獣は襲おうとしているのではないことがわかる。差し伸べているようにも見えるその手はフォルムこそ極めて攻撃的ではあるものの、所作がどこか優しく攻撃性は感じられない。獣は病に感染した主人公を仲間と見なし獣の側に取り込もうとしているのだろう。
  一方の使者はそれを阻止し主人公は獣から解放された。だがそれにしては不穏な空気だ。使者は悪夢に住まう。彼らの行為は主人公を獣から救ったのではなく奪ったと言うほうが近いのかもしれない。

なかなかショックの強いシーンだ。正直獣より怖い。帽子を被って来てくれればそれも少しは和らいだかもしれない。

  ちなみに某所ではこのシーンは夢の中であり、主人公は獣と人との間を彷徨っており人であることを選んだ、あるいは獣に堕ちて行く主人公を使者が救い出し狩人になったと考察されていた。自分は気付かなかったがこれが夢の中の出来事というのは間違いないだろう。この後のシーンでは血だまりは消えており、また使者が火を用いて獣を倒せるとは考えにくいからだ。




◇現実の獣


目覚めて起き上がる主人公。医院は暗く静かで、荒れている。

  辺りには獣の死体も血だまりもない。やはりあれは夢だったようだ。
  主人公の腕を見ると左腕だけ袖を巻くっている。点滴を受けたのは右腕だったはずだが……。もしかしたらIosefkaが施した輸血すらも夢だったのだろうか。
  部屋を出て進むと灯りに照らされた獣がいる。今度は夢ではない。奥の出口に行くため主人公は果敢に挑むも……

手負いのようだったが相手はやはり獣。素手では成す術もなく主人公は力尽きる。




◇夢の避難所

再び主人公が目覚めるとそこはこれまでとはまるで違う世界だった。

大きな月が浮かび花と優しい灯りがとても幻想的なエリア。

  Dream Refuge。直訳すると夢の避難所、あるいは夢の隠れ家となる。狩人たちはここを拠点として各地を回り獣狩りをしているようだ。そしてこの家はGCトレーラーで激しく燃えていた家と同一のもの。

目の前に女性NPCがいると思いきや、調べてみるとただの人形のようだ。

  現状では調べられるだけだが恐らく何かがあるのだろう。後に出てくる風呂の使者や館の老人、街で窓越しに会話できるNPCたちは皆傍に灯りの点いたランプがある。この人形もいずれ主人公と何かしらのやりとりができるようになりそうだ。
  とあるBloodborneのサイトでは、この人形はGCトレーラーで車椅子の老人と一緒に燃える家を眺めていた女性ではないかと考察されている。その可能性は非常に高そうだ。

  GCトレーラーの女性と言えば、個人的にあの声は女性というより中性的な声に聞こえた覚えがある。当時はもしかしたら男性なのではとも考え、声年齢にしては頭身が高いという矛盾点を埋める理由を思案していた。幼少期に去勢されて変声期を迎えなかった青年だとか、女性だとしてもそのことを隠すために中性的な声を出しているなど……。しかし今回の動画では人形であるということが分かった。これでは変声期も何もあったものではない。身勝手な考察は徒労に終わった。


使者から受け取った武器を装備する。現状では不明のアイコンやスロットがいくつかある。

  右の4つのスロットは右端だけが青く光っている。何か特別なアイテムを装着するスロットなのかもしれない。また中央の武器ステータス上部にあるアイコンは攻撃属性だろうか。ノコギリ鉈なら斬撃と打撃と思われるが、それにしては重複したアイコンが不可解ではある。銃についてはまた別のアイコンもあった。

  また「Special Attack」も気になるところだ。左二つは恐らく毒と病と思われるが、右の二つは剣の下にレベルアイコンを反転させたマークと獣のマークがある。右側が獣に対する特攻効果とするなら左は何だろう。アイコンから獣と対照的な印象を持つがそれなら狩人を意味するものなのだろうか……。


風呂に浸かった使者。彼とは狩りに必要なアイテムの売買が出来る。通貨の代わりはBlood Echoesだ。

ショップ画面。売買できる項目は多岐に渡る。中には聖杯のようなものも。


  夢の避難所はデモンズソウルの楔の神殿と同じように各エリアに転送することができる。さらに今作では各エリアがそれぞれ繋がっておりシームレスに移動できるようだ。

夢の避難所に立ち並ぶ墓石。調べるとヤーナム内の各エリアに転送される。

  この墓石の数がそのまま攻略エリアの数になると思われるが、今回の映像の中だけでも結構な数が確認できた。

まず階段の左側に4基。

風呂に入った使者の方に進む。左の階段に沿って3基、見づらいがその奥に2基。蝋燭の灯りが目印だ。

さらに進むともう2基が確認できる。画像だと見づらいが動画であれば分かりやすいはずだ。

  今確認出来た分だけでも墓石は11基ある。この避難所はまだまだ探索できる所があるのでもっとあるかもしれない。しかしなぜヤーナム各地を繋ぐ転送ポイントが墓石なのだろう。また、その下には誰が眠っているのだろうか。だが今はそれよりも気がかりなことがある。崩れた墓石だ。

家の手前にある崩れた墓石。壊れた転送ポイントと言えばデモンズソウルの巨人の要石だが……。

  墓石ではなく使者の力によって転送されるならば壊れていようが関係ないのかもしれない。杞憂に終わればいいのだが、すべてのデモンズファンは気が気でないだろう。

  一番下の墓石に触れるとIosefkaの医院に転送される。獣はまだいるが今度は手に武器を持っている。主人公は難なく獣を倒し、奪われた血を取り返した。

今作では倒された敵に溜めていた血を奪われるが、再度挑戦して倒すことで失った血を取り戻すことができる。

  過去シリーズのようにドロップした血を回収だけして敵から逃げるということは出来ないようだ。どうやら一度敗れた強敵を克服しろということらしい。




◇ヤーナム


医院を出て奥にある門を開くとそこは夕景のヤーナムだった。

  ここはαテストのスタート地点だ。αの舞台は夜のヤーナムだったので今回の映像は印象が大分違う。どうやら今作では同一のエリアにおいても時間経過の概念があるようだ。しかしそれがプレイ中に次第に経過していくのか、特定のイベントを経て昼夜が入れ替わるのかはまだ判らない。
  ちなみに獣狩りをしているヤーナムの住人は昼にも拘わらず松明を持っている。これは灯りを求めてのものではなく、恐らく火が獣に対して有効な手段だからだろう。オープニングにおいても獣は火に倒れた。


長い梯子を登った先にランプがある。調べると灯りが点き、根本から使者が現れた。

  どうやら今作はこのランプが中継ポイントになるようだ。従来の篝火のようなものだが体力の回復などはできず、現状判明しているのは夢の避難所との往復機能のみだ。だが恐らく倒れたときの復活ポイントとしての役割もあるだろう。

この画像は聖杯ダンジョン公開時に追加された画像だ。同様のランプと思われるが使者の人数が違う。

  この違いは単に聖杯ダンジョンだからと考えられるが、もしかしたらダークソウルの篝火が注ぎ火で火の勢いを増したようにこのランプも何かを施すことによって使者が増え、新たな機能が実装されたり強化されるのかもしれない。


ランプの点いたポイントにはメッセンジャーとなるNPCがいて話を聞くことができる。

  呪われた街に在っても穏やかな口調で話すこの住人は病に感染してないようだ。頑丈な鉄格子を構えており、獣とその病に怯えながら暮らしているのだろう。しかしこの格子はむしろ正気を失った獣狩りの群集に備えての物なのかもしれない。

  しばらく進むと噴水の手前の所からαテスト時にはなかったルートを進んで行った。その先には烏羽の狩人が立っている。またこの場所はα未公開エリアでとある装備を見つけた場所だ。

烏羽の狩人からアイテムを受け取る。直訳すると勇敢なハンターの印となる。4つあるので消費アイテムのようだ。

  声から察するに烏羽の狩人は女性と思われる。TGAトレーラーでは主人公と共に血に渇いた獣と戦っていたが、旧市街だけでなくこの聖堂街にも姿を現すようだ。会話を続けていけば今後主人公に協力してくれるのだろう。
  またダークソウルでは攻略中最初に出会う同業NPCからはマッチングアイテムを貰うのが常だったが、彼女からは用途不明のアイテムを渡された。マッチングに用いる鐘はいつ手に入るのだろうか。このままでは最初のボスはソロで倒すことになるが、ただヤーナムのエリアはかなり入り組んでおり、映像を見てもまだまだ行ける所があった。聖職者の獣に挑む前にどこかで鐘を入手できるのかもしれない。




◇車椅子の老人

  ショートカットを利用し先程のランプで夢の避難所に戻る。階段を上ると家のドアが開いており、中には車椅子の老人がいた。パチパチと暖炉の薪が燃える優しい音が響く。

自分を狩人たちの友だと言う老人。しかし名を名乗ろうとしたとき口を噤んでしまった。

  どうやら新たに狩人となった主人公を歓迎しているようだ。しばらく話を聞いたのち傍らの暖炉を調べると武器の強化や修理のメニューが表れた。

武器の強化画面。強化にはBlood Echoesと道中で拾った強化素材が必要になる。

  強化に必要なアイテムの欄には広いスペースがあるので複数の素材を要求する強化もあるようだ。特別なソウルならぬ特別な血が必要になるのかもしれない。不可解なのは左上の項目。今作では左右の手に装備できる武器は2つまでなのだが、この項目では左右に3つずつある。大まかな武器種に別けているということなのだろうか。また、防具の項目が見当たらないがゲームを進めればいずれその強化も出来るようになるかもしれない。

よく見ると暖炉の左上にノコギリ鉈の刃と、GCトレーラーにだけ登場した大鎌の刃がある。

暖炉の左には異様に砲身の長い銃が立て掛けられている。また作業台に置いてあるのは初期装備の獣狩りの銃のようだ。

立て掛けられた銃はヤーナムの車椅子の群集が持っている銃と同一のもの。いずれプレイヤーも使えるようになればいいが。

  これらの武器はここに住む彼が作った物なのだろう。彼は狩人たちに武器の提供と強化や修理をして獣狩りのサポートをしている。その動機はやはりかつての記憶によるものなのだろうか。ヤーナムの車椅子の老人たちには古い惨劇の記憶がある。恐らく彼もそれを目の当りにしてここへ避難して来たのだろう。


  夢の避難所。ここは狩人たちの実質の拠点であるが名称は避難所だ。これはデモンズソウルにおける楔の神殿に戻る奇跡を思い出す。奇跡の名称が帰還ではなく避難となっているのは、人が本来帰るべき場所はここではないという意味が含まれているのだろう。ダークソウルの奇跡は家路であるが、これは本来ならば故郷に帰る力を持つものの、不死の呪いによりそれが歪められ篝火に縛られている。たとえ篝火が不死の故郷であっても決して人の故郷ではない。狩人たちはここに長く留まるべきではないのかもしれない。人は狩人に在っても他に帰るべき場所があり、使者が住まう場所は悪夢に他ならないからだ。




◇最後に

  現在IGNが次々とBloodborneの新情報を公開している。現在は18分のプレイ動画の他にプレイリポートキャラクタークリエイト動画フロム宮崎氏のインタビューがある。自分は翻訳ソフトを用いても極めて曖昧な理解しか出来なかったが、興味のある人は見てはいかがだろうか。