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2015年6月20日

DARK SOULS III -E3公式発表-

  日本時間の6月16日午前1時半、アメリカロサンゼルスで開催されたE3のMSカンファレンスでダークソウル3が発表された。その二週間ほど前より3の噂はあり、その情報源は馴染みの薄い海外メディアだったが、リークされた何点ものコンセプトアートやスクリーンショットにはそれを事実と思わせる確かな説得力があった。思えば昨年のE3前にリークのあったBloodborneと状況がよく似ている。今回はまずE3のデビュートレイラーを見ていこう。





◇...now only embers remain.


  映像はダークソウルの象徴の一つ、篝火から始まる。


刀身の捻じれた剣が篝火に突き立てられている。シリーズお馴染みのものだ。

死体を引きずりながら篝火の脇を通り過ぎる人物。

  どことなく女性のようにも見えるこの人物は何をしようとしているのだろうか。乱雑に引きずる様からは死体への敬意は感じられない。弔いではなさそうだ。まるで死体そのものに用があるようにも見える。


遠くに城が見えるシーン。どこを見渡しても生命を感じさせない。

  建物は大きく崩れており文明の終わりからさらなる時間経過があったことを思わせる。雲の裂け目から光は射すもののそれを受けるのは無機質な灰色だけだ。


大きな亀の甲羅のようなものを背負って歩く人々。

二人や三人ではないようだ。

  まるで行商を諦めたメレンティラのような一団はあの城へ向かっているのだろうか。これが火防女の末路でなければいいが。


シーンは屋内へ変わる。どこか見覚えのある冠だが…

映像では額に当たる部分が不吉に歪み渦を巻いている。何か特別な力がありそうなこの冠を女性は手に取り頭に乗せる。

  光の射す廃墟で祈る女性。何かを待っているのだろうか。


鐘の音をかき消すように突然巨大な物体が地面を突き刺す。

横たえていた体をゆっくりと起こし立ち上がる。この緩慢な動きは巨人だ。

  何よりも目を引くのはその頭部だ。大きく穴の空いた顔は2に登場した巨人の特徴と合致する。

その咆哮はどこに向けられたものなのだろうか。体は内から燃え盛っている。







◇3=1+2?




  この城はダークソウルをプレイした人なら見覚えがあるはず。かつて古竜を打ち倒し火の時代を興した偉大な太陽の光の王、グウィンの居城アノール・ロンドだ。

アノール・ロンドに到達したときのムービー。

こちらは侯爵の書庫へ通じる階段から撮ったもの。3の画像により近い角度だ。

  城の中央の塔に掛かる橋のようなものが同じ形をしている。やはりアノール・ロンドと見て間違いないだろう。しかし3の城は崩れており廃墟そのもの。周囲はまるで最初の火の炉のような、あるいは古竜の時代のような灰色の世界だ。もし1の主人公がグウィンの遺志と火を継いだのなら、人間から呪いは消え去り、神々が引き続き世界を治めていたはずだ。しかしその様子はない。3は火が継がれなかった世界なのだろうか。


どこか見覚えのある冠だが…

こちらは2の白王の冠。シルエットは似ているがよく見ると違うようだ。

  冠だけでなく冷たそうな石造りの内装もエス・ロイエスを思わせる。また、祈るような女性の姿は沈黙のアルシュナのようにも見えるが彼女は黒髪だった。違う人物だろう。


2のデザインワークスにある巨人の王のイラスト。

冠を見比べてみよう。

  よく似てはいるが同じものというにはやや苦しいだろうか。だがデザインの方向性は同じように見える。2の巨人の王と同一人物なのだろうか。衣装に着目すると2は布系で王にしては粗末なもの(しかも裸足)だったのに対し、3では鎧を着ており武器も異なる。これらの意匠は非常に細かく明らかに文明の発達度が違う。何より2の巨人の王は主人公によって倒されたのだ。一度復活してはいるものの3の時代まで生き永らえたわけではないだろう。戦時にドラングレイグへ渡らず自国に残った巨人たちの末裔と考えるのが妥当だろうか。

  またヴァンクラッド王は王妃に唆されて巨人の国に攻め入りあるものを持ち帰った。それが何であるかは明らかにされてないが、代償として巨人たちの怒りを買い王国は危機に陥る。三代に渡って巨人と戦い続けてきたドラモンドは、巨人の怒りを尋常の執念ではないと語り、さながら同情的でさえあった。3の巨人の咆哮にはその怒りの色が残っているようにも見える。




◇主人公の目的は?


  宮崎氏のインタビューによれば1が神殺しの物語なら3は王殺しの物語だという。そしてトレイラーの巨人は薪の王の一人であり、彼らが次々と甦るそうだ。また時系列でいうと今作は2からさらに時を経た時代とのこと。

  まず気にかかるのは復活する薪の王たちだ。薪の王と言えばやはり1の太陽の光の王グウィンだろう。神族である彼は古竜の時代に生まれた火から王のソウルを見出し、三人の協力者と共に古竜を打ち倒して火の時代を興した。しかしその火は次第に弱まっていき、闇の時代の到来を恐れたグウィンは火を維持するため自らを薪としてその身を炉に投じた。これによりロードランの火はかろうじて保たれ、以降グウィンは薪の王と呼ばれることになる。

  トレイラーにアノール・ロンドが映っていたことからもグウィンの存在が今作のストーリーに大きく関わってくるのは間違いないだろう。また薪の王が何人もいるということは消えかかる火を新たな王が継ぎ、それが幾度も繰り返されたということ。3はロードランの時代から連綿と火継ぎが行われ何とか世界が維持されてきた時代のようだ。

  だが別の可能性もある。3の世界に火があるのかどうかはまだ判っていない。もしかしたら既に火が消えて闇の時代が到来した後の世界なのかもしれない。時代が変遷していくなかで、1の主人公やウーラシール人を唆したカアスのように、火を消して人間の時代の創世を目論む者がいてもおかしくない。そしてそれが果たされたなら薪の王たちの復活は意味合いが少し変わってくる。火を継がなかった人間に対して薪の王たちはそれこそ許すことの出来ない怒りに駆られているだろう。神の寵愛と枷を離れて自らの世界を手に入れた人間たちにとって、再び火を灯す王の復活は人間の時代の終焉を意味する。闇のソウルを持つ人間から闇の王が現れるのを恐れたグウィンのように、人間が薪の王の復活を恐れるのだ。

  3は王殺しの物語。種火が甦ったのなら燃え広がる前に排除しなければならない。かつて神が火の時代を維持しようとしたように、人間が闇の時代を維持する物語なのかもしれない。